Q&A- Questions -
永住外国人住民の地方選挙権付与に関して
在日本大韓民国民団
- Q1 なぜ、永住外国人住民に地方選挙権を付与しなければならないのですか
- Q2 なぜ、地方選挙権を求めているのですか
- Q3 具体的に何を要求しているのですか
- Q4 どのような経緯があって求めているのですか
- Q5 永住外国人住民への地方選挙権付与は憲法に違反するのではないですか
- Q6 最高裁はどう判断しているのですか
- Q7 地方自治体の意見はどうなっているのですか
- Q8 これまで、国会への法案提出と審議はどうなっているのですか
- Q9 なぜ、帰化しないのですか
- Q10 国益に反し、安全保障上問題があるのではないですか
- Q11 世論調査ではどうなっているのですか
- Q12 主要先進国ではどのように対応しているのですか
- Q13 韓国ではどうなっているのですか
- Q14 日本と韓国の間でどのような交渉が行なわれてきたのですか
- Q15 付与すれば、日本にとってどのような意義があるのですか
- ■補足 一問一答
- ■参考資料一覧
Q1 なぜ、永住外国人住民に地方選挙権を付与しなければならないのですか
永住外国人住民への地方選挙権付与の問題は、私たちが要求する以上に、本来、日本みずからが日本の問題として、付与のための法を整備すべきものであります。日本が取るべき政策課題として、これ以上、先送りすることなく今こそ実現すべきです。
1995年の最高裁の許容判断からすでに15年経ちます。1998年に付与法案が国会に提出されて、12年目になります。1999年に国会で審議が始まってから、11年になります。1993年に大阪府岸和田市議会ではじめて付与に賛同する意見書が採択されて、すでに17年になります。全国自治体の賛同意見書が1,000自治体を超えてから14年になります。
最高裁が判断したように、日本国憲法は「国民」と「住民」を区分し、憲法93条2項には地方選挙に関して「住民が直接これを選挙する」と規定し、憲法15条の「国民固有の権利」である国政選挙と区別しています。
地方自治体レベルにおいて、地域社会の構成員である永住外国人に地方選挙権を付与することは民主主義の拡大の上からも、のぞましいことです。OECD諸国では国政と地方を区分し、一定の資格を有する永住外国人住民に地方レベルの選挙権を付与しています。
付与することによって日本のイメージがひじょうに良くなります。外国人住民を排除しない、人権を認める国として国際社会の大きな評価を得、長い目でみれば将来の国益に寄与するものです。
Q2 なぜ、地方選挙権を求めているのですか
私たちは地域社会の構成員であり、納税などの社会的義務を果している住民です。「住民」としての資格・権利として求めています。
地方自治に制度的に参画するためには、地方選挙権を有することが規定されています。私たちは戦後60年以上、生活の場である地域社会の発展のために納税などの同じ義務を果し、応分の貢献をしておりながら、「住民」としての権利が認められていません。この基本的な「住民権」を確立するために必要な権利として長い間地方選挙権を求めています。
95年の最高裁判断が出る前は、地方レベルでも帰化しなければ駄目だと言われてきましたが、永住外国人住民に対しては地方レベルの選挙権を付与しても憲法上禁止されないという最高裁判断が出て以来、多くの自治体、各政党、世論等の賛同を得て、後は国会で立法化するだけの段階にまで来ています。
■日本に永住する在日韓国人に関して
○在日韓国人は、特殊な歴史的経緯(日本の植民地統治の結果)により日本国に住むようになった者及びその子孫であり、その居住する地域社会の永住外国人住民です。
○在日韓国人の大多数は日本で出生した特別永住資格者や一般永住資格者であり、永年にわたって日本人とともに学び、交友し、日本社会で就職をし、家庭を持ち、地域にあっては、その構成員として地域社会に貢献をしています。
○また、住民税(県民税,市町村民税)、所得税等など各種の納税義務を日本人と同等に履行している納税者です。
○大多数が特別永住資格をもつ在日韓国人は、各市町村及びこれを包括する都道府県の区域内に生活の本拠である住所を1945年以前から有する住民であり、日常生活において半世紀以上にわたって、自治会・町内会などに積極的に参与しており地域住民として共に生活しています。
Q3 具体的に何を要求しているのですか
私たちが日本の地域住民として生活している普通地方公共団体(都道府県・市町村)の選挙権です。この基本的権利の行使を可能にする国会での立法措置です。
■私たちの理念
○日本の地域社会で、在日韓国人をはじめとする永住外国人住民が同じ住民として地方自治に参与できる「住民権」の保障
○民族や国籍の相違を乗り越え人権を尊重する「共生社会」の実現
○日本の民主主義の拡大と真の「国際化」の実現
○アジアの平和と内外人平等に基づく人権確立への寄与
○戦後処理の一環
Q4 どのような経緯があって求めているのですか
私たちは歴史的な経緯と生活の実態から住民として地方選挙権付与を求めています。
■歴史的な経緯-「住民としての歴史」
・戦後の経緯-日本の外国人政策-長い間の国籍差別と排除
○1945年以前
*内地在住者、参政権有す。383人中96人当選(国会議員1名-2回)
○1945年12.17 衆院議員選挙法改定。旧植民地出身者の参政権停止
○1947年 日本国憲法、地方自治法
*外国人登録令-当分の間、外国人とみなす-憲法適用から除外
○1950年 公職選挙法、国籍法施行
*戸籍法の適用を受けない者の参政権、当分間停止
○1952年 サンフランシスコ講和条約、外国人登録法-一律外国人に
*国籍選択権の自由を与えず、日本国籍喪失
*一方的に国籍を剥奪しながら、日本国民と同等の市民権を与えず
*国籍条項による多くの不利益-52年当時に戻って権利を保障すべき
※サ講和条約のとき、民事局長通達で日本国籍喪失。日本で生まれ育っ た2,3世が国籍により理不尽な不利益をこうむったこと、無年金者のことも考えなければならない。
○1965年 日韓基本条約、在日韓国人の法的地位協定
*協定永住資格-5年の時限立法、71年韓国籍35万
*①義務教育 ②生活保護 ③国民健康保険
*前文-「多年の間、…特別な関係を有するに至っていることを考慮し、日本国の社会秩序の下で安定した生活を営むことができるようにすることが、両国間の友好関係の増進に寄与することを認め…」
○1970~1980年代 民族・国籍差別撤廃の全国運動・市民運動
*70年 朴鐘碩氏日立裁判(就職差別) *80年~指紋押捺撤廃運動
○79年 国際人権規約批准。82年 難民条約批准
私たちは1987年に全国統一第六次要望書で地方選挙への参加を要求する活動を始め、1988年、改めて地方参政権を取得することを決議し、1992年、生活権拡充運動の目標として地方参政権間題を次の通り明確にしました。
「在日韓国人は日本に永住する生活者であり、地域社会の住民である。それゆえに在日韓国人が地域社会で共に考える存在になる為には、地方自治に参与できる権利が当然保障されるべきである。在日韓国人の歴史的経緯と日本社会の国際化状況からみて、各種審議会、委員会、諮問機関への参与が拡大され、住民としての権利である地方自治体の参政権が認定されなければならない」。
94年、私たちは地方参政権の獲得運動を在日韓国人の権益擁護運動の総和として推進、地方議会での意見書採択要望活動と国会での立法化措置を求める運動を最優先課題として展開することを決めました。
Q5 永住外国人住民への地方選挙権付与は憲法に違反するのではないですか
憲法に違反するものではありません。
1995年、最高裁判所は、「外国人のうちでも永住者等であって、その居住する地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、法律をもって地方選挙での選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上、禁止されているものではない」。「付与するかどうかは国の立法政策に関わる事柄」との判断を示しました。
1998年10月以来、各政党から延べ11回にわたって永住外国人住民への地方選挙権付与法案が国会に提出されております。法制局の審査を経て、違憲ではないからこそ国会に法案が提出され審議されてきました。
永住外国人住民への地方選挙権付与法案の国会審議に関しましては、1999年の第145回国会以来、すでに4会期約15時間にわたって審議されております。2000年の11月の臨時国会では採決段階まで至った経緯があります。憲法違反を云々することは、憲法違反の議案を審議したことになり、国会の権威を大きく傷つけ否定することにつながります。一部で拙速という意見もありますが、何をもって拙速というのか理解に苦しみます。
1999年10月には当時の連立与党である自民・自由・公明の三党が「成立させる」ことで政権合意書に署名した経緯もあります。
また、日韓・韓日議員連盟は、1997年以来共同声明で早期の実現に努力することを決議し、2007年9月に行われた合同総会でも実現に向け与野党間の合意を導き出すため積極的に努力するとの共同声明を発表しております。
Q6 最高裁はどう判断しているのですか
最高裁は「国政」選挙と「地方自治体」選挙を区分し、永住外国人住民への地方選挙権は、①保障はされていないが、②付与しても違憲ではないと許容した点、また③付与するかどうかは国会の裁量とした点にあります。
1995年2月28日、最高裁判所の判決は、憲法第8章の地方自治に則り、「国民」と「住民」を区分し、憲法93条2項には地方自治体選挙に関して「住民が直接これを選挙する」と規定し、憲法15条の「国民固有の権利」である国政選挙とは区別し、「永住外国人に対する地方選挙権付与は憲法上禁止されているものではない。…もっぱら国の立法政策上の間題である」と、明示しました。
■訴訟の概要
大阪に住む在日韓国人二世(金正圭氏ほか8名)が大阪市内にある複数の区選挙管理委員会を相手取り、選挙人名簿への登録(選挙権)を求めた訴訟。
■判決の意義
永住外国人住民への地方選挙権付与についての違憲論争に終止符を打ち、国会で立法措置を講ずるかどうかの問題となりました。また、日本国籍を持たない永住外国人住民に地方参政権を附与しても違憲ではないとの判示によって帰化論を抑止した点も大きな意義です。
※国民主権-国民固有の権利とは、
「憲法15条のいう固有の権利とは、国民のみが専有する権利であると解するのではなく、奪うべからざる権利の意味に解するのが正しく、一般に外国人に対して公務員を選定する権利が認められないのは、直接本条から引き出される結論ではない」(1953年 政府見解-高辻回答)
Q7 地方自治体の意見はどうなっているのですか
これまで1,500以上の自治体が永住外国人住民への地方選挙権付与に賛同する意見書等を採択しています。
半世紀以上にわたって地域の構成員として居住し住民としての義務を果たしている在日韓国人の歴史的背景と生活実態、またその大部分が日本で生まれた2・3・4世であることを踏まえ、戦後処理の一環として、また民主主義の理念と拡大の上からも、住民の基本権である地方選挙権付与の措置が早期に講じられるべきであります。
1993年に大阪岸和田市で初めて永住外国人住民に地方選挙権を確立する措置を求める意見書が採択されて以来、地方の意見として、今日まで累計で1,531自治体が意見書等を決議しています(39都道府県/539市/744町/209村*一部議会内採択含む)。
これまで国会での地方選挙権法案の審議において、政府は地方選挙権付与を求める意見書の受理分を報告しております。(地方自治法に基づく意見書等1,243自治体)
付与に賛同している意見書の内容は、私たちを地域社会の一員 と認め、憲法上禁止されていない旨の最高裁の判断に立脚し、国際化の進展と民主主義の確立の上からも付与が望ましいとしています。これら地方自治体議会は憲法違反ではないからこそ決議しております。
最近では2008年に岐阜県議会と滋賀県議会が、2009年には広島県議会が付与に賛同する意見書を採択し、政府に上がっている付与賛同の県議会は35県(*別途4県議会は議会内採択)になります。これらの多くの賛同地方の意見を重視され反映されるべきであります。
※すでに201自治体が永住外国人に住民投票権を付与。
Q8 これまで、国会への法案提出と審議はどうなっているのですか
1998年10月、民主党と新党平和・改革(公明党)が永住外国人に地方選挙権を付与する法律案を初めて国会に提出し、1999年8月初めて国会で審議、この間、4会期にわたり審議されております。
■これまでの各政党法案提出状況
◇1998年10月6日民主党・新党平和(公明)が法案を初めて国会提出
◇1998年12月8日共産党が法案提出 *被選挙権含む
◇2000年1月21日与党2党(公明・自由)が法案提出
◇2000年7月5日与党2党(公明・保守)、野党(民主)が法案提出
◇2000年10月2日共産党が法案提出(参議院)*被選挙権含む
◇2004年1月23日 共産党が法案提出(参議院)
◇2004年2月19日 与党公明党が法案を提出(*国交のない国当分間除外)
◇2005年10月21日与党公明党が法案を提出(相互主義に立脚)
◇2006年9月28日与党公明党が法案を再提出(相互主義)
■付与法案名
◇「永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案」
◇審議委員会
衆議院 「政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会」
◇付与対象者
○満20歳以上で同じ市町村に3ヶ月以上住んでいる永住外国人住民
◇申請主義
○市町村選挙管理委員会が、「永住外国人選挙人名簿」を調製、保管
○対象者は、住所地の市町村選挙管理委員会に「永住外国人選挙人名簿」への登録を申請*登録しない者は、付与されない。
■これまでの国会審議状況
◇第1回目 第145回通常国会(1999.8.11-12)
◇第2回目 第147回通常国会(2000.5.23)
◇第3回目 第150回臨時国会(2000.11.15-29)
・参考人聴取及び参考人に対する質疑(11/2211/29)
※第151回通常国会閉会継続審議(01.6.29)
-第150回臨時国会では参考人聴取も行い、採決段階にまで至ったが、第151回通常国会では、自民党の一部の反対により与党間の調整が難航、結局採決延期、継続審議となる。
◇第4回目 第161回臨時国会(2004.11.16)
■「納税とは関係ない」という反対意見に対して
納税の義務の有無は、住民としての参政権を支える重要な論拠でありますが、地方選挙権は納税だけを根拠にしているものではりません。「代表なくして課税なし」という言葉があるように、納税と議会制度というものは密接に結びついています。納税者としてその使途について意見を反映させることは民主主義社会において望ましいことであります。
■「傍論」ということについて
最高裁の担当裁判官であった園部逸夫氏は次のように述べている。
「付与する措置を講ずることは憲法上禁止されていない…」を傍論または
少数意見としたり、あるいは重視したりするのは、主観的な批評に過ぎず、判例の評価という点では法の世界から離れた俗論である」。
「日本の裁判所では、判例法理とそれ以外の部分に分けて構成したり、理解することはあるが、先例法理と傍論という分け方はしない。最高裁判所
判決では、傍論的意見は裁判官の個別的意見か調査官解説に譲るのが原則である」と述べている。
※最高裁判決は5人の裁判官全員一致、少数意見なしである。
Q9 なぜ、帰化しないのですか
地方選挙権について「帰化」を強要すべきではありません。
帰化のことがよく言われますが、地方自治体レベルの選挙には「国籍」の論理ではなく、永年の「住民」性を根拠に付与されるべきとして裁判で論議されてきました。1995年の最高裁第3小法廷は判事5人全員一致で、地方選挙権は永住外国人に保障されないが、付与しても違憲ではないと明示しました。これによって、違憲論も帰化論も抑止されました。国政と地方を区分し、地方レベルに帰化のことを言うべきではないでしょう。
最高裁は次のように述べています。「憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である」。
欲しければ帰化しろ、は乱暴な意見であり、帰化は個人の意思を尊重すべきです。日本人が外国に行き、何年もその国に住んでも日本国籍でいたいという気持ちがあるように、個人のあり方と国籍は切り離すことはできません。
*私たちは、国政選挙権を望んでいません。
外国人に地方参政権を付与している国に居住する日本人は、日本国籍を保持したまま、その国の地方参政権を行使し、同時に日本の国政選挙権を行使しており、何ら問題を生じていません。
Q10 国益に反し、安全保障上問題があるのではないですか
永住外国人住民を危険視し、そのように考えること自体が問題です。
永住資格には特別永住資格と一般永住資格があります。在日韓国人の多くが有する特別永住資格は、戦前から継続して日本に住む者及びその子孫にのみ付与されるものです。すでに96%が日本で生まれた2,3,4世たちです。
また、一般永住資格を取るには普通10年以上かかり、納税や素行や家族関係などがしっかりと調査された後に、法務大臣が許可します。予想される付与法案はこのように法務大臣が認めた永住資格者だけが対象となっています。そのように長く日本に住み、日本籍の家族も多い中で生活している永住外国人住民をこのように危険視してよいのでしょうか。
永住外国人に地方自治体の選挙権を与えると国の損になり、害になるという考え方自体に問題があります。国際化が進展する中で、日本が成熟した民主主義社会であることを内外に示すことは、国際社会の信頼を得ると共に人権先進国として国際社会の大きな評価を得るものです。今までの既成の日本社会の枠組みを拡げ、豊かで活力のある地域社会にしていくという前向きのプラス思考の姿勢が何よりも大事です。
条例が法律をこえられないように、一定の枠のもとでの地方自治が基本です。法整備された地域社会のシステムに永住外国人が参入することで支障が生じるとは考えられません。最終的に首長が判断するわけで、議会の意見を聞いたり、場合によっては住民の意向を訊くなどして、国益や有事に関する具体的な障害が生じることはありません。事前に適正な法的処置がとられるからです。
反対論者は感情的というか、外国人はおよそ参政権になじまないという、俗耳に入りやすいレベルの話に歪曲しています。国防など極端なケースを生活に密着した地方自治体レベルに持ち出して議論すべきではないでしょう。また法案は投票権だけであって、被選挙権は除外されています。しかも申請主義を採用する予定です。永住外国人が投票権を持ったからといって直接問題が生じるとは考えられません。
地方自治体レベルの選挙では、自分の住んでいる町をどうするか、まず地域社会の利益のことを想定します。そもそも反対意見は、地方自治体選挙を〈国家〉〈国益〉と結び付けすぎます。米軍基地、原子力発電所とか領土問題とか、きわめて限られた一部の件について、国益や安全保障の面から永住外国人住民を危険視するのは、どう考えても乱暴な意見です。
対馬市人口:36,000人-在日59人(0.16%)
名護市人口:61,000人-在日26人(0.04%)
島根県人口:72万人-在日934人(0.13%)
大阪市人口:260万人-在日85,000人(3%)
大阪府人口:884万人-在日136,000人(1.5%)
大量で集団移住したら乗っ取られるというような暴論をいいますが、あまりに非現実的です。外国人は外国人登録法や入管法などの管理下にあり、生活実態のない虚偽申告をすれば1年以下の懲役又は20万円以下の罰金(刑事罰)に処されます。
Q11 世論調査ではどうなっているのですか
この間の調査では約6割が付与に賛同、約3割が反対、残り1割が無回答です。
■毎日新聞世論調査(2009.11.21~22実施)
永住外国人に地方参政権付与:賛成59%反対31%
-民主党支持層 賛成61%,反対33%
-公明党支持層 賛成84%.自民党支持層 賛成49%,反対42%
-年代別30~50代 6割以上 賛成/70代以上 賛成46%.
■産経・FNN合同世論調査(2009.11.21~22実施)
永住外国人に地方参政権付与:賛成53.9%反対34.4%無回答11.7%
■朝日世論調査(2010.1.16~17実施)
永住外国人に地方参政権付与:賛成60%反対29%
-民主支持層賛成70%反対23%/自民支持層賛成45%反対45%
-世代別-30,40代賛成70%台/60代賛成54%/70歳以上賛成37%
■産経・FNN合同世論調査(10.1.16~17実施)
永住外国人に地方参政権を付与する法案の成立に
期待する40.5% 期待しない46.7% わからない12.8%
■2010年度の大学入試センター試験の問題の選択肢の一つとして永住外国人の地方選挙権が憲法に違反していない旨が記載されました。
■過去の世論調査でも付与に賛同
◇読売新聞全国世論調査(全国有権者対象 99.3月公表)
認める65.6% 認めない24.5% 答えない10.0%
◇日経新聞世論調査(2000.5.31.公表)
賛成47.9% 反対21.4%
◇毎日新聞全国世論調査(全国有権者対象 2000.10.2.公表)
賛成58% 反対32% その他・無回答10%
◇朝日新聞全国世論調査(全国有権者対象 2000.11.9.公表)
認める64% 認めない28%答えない8%
Q12 主要先進国ではどのように対応しているのですか
OECD(主要先進国30ヶ国)中で付与していないのは日本だけです。
主要先進国30ヶ国によるOECD加盟国の中で、血統主義を採用し、重国籍を認めず、かつ一定の資格を有する外国人住民に参政権を認めていないのは日本だけであります。G8の中でも認めていないのは日本だけです。
永住外国人に地方選挙権を付与している国に住む日本人は、帰化を強制されることなく父母の国籍を保持し尊重したまま、その国の「住民」として地方参政権を付与され、行使しています。また同時に日本国籍者である「国民」として日本の国政選挙権も行使しており、何らの問題も生じておりません。国際化が進展する中、ヨーロッパ諸国をはじめ、現在40余カ国で永住外国人住民に地方選挙権を付与しています。
また、政治資金規正法は、外国の法人株式の50%超を保有する企業の政治献金を禁止していましたが、2006年12月、同法を改正し、上場して5年以上になる国内企業をこの規定の適用外としました。
地方議員の定数、及び政党助成金は国勢調査の人口を基に算定されます。国勢調査人口には永住外国人住民も含まれています。
■諸外国の付与状況
現在、40余ヶ国で付与(定住型/相互主義型/旧植民地型)
○定住型(27カ国)/スウェーデンなど北欧、オランダ、韓国外
○互恵型(10カ国)/EU諸国(EU市民権)外
○旧植民地型(8カ国)/イギリス、カナダ、ポルトガル外
※付与する国に住む日本人-日本国籍を維持しながら、その国の住民として地方参政権行使-日本に対しては「国籍」をもつから国政選挙権を行使。
※フジモリ、ペルー前大統領は二重国籍(日本国籍も維持)
※アメリカは生地主義
Q13 韓国ではどうなっているのですか
韓国ではすでに日本人を含む永住外国人に付与しています。
韓国では2005年6月、外国人住民の人権保障の一環として、永住資格を有する19歳以上の外国人に地方選挙権を付与する法案が成立し、2006年5月に実施された統一地方選挙において、日本人を含む永住外国人住民が選挙権を行使できるようになりました。
1998年以来、韓国の歴代大統領は韓日首脳会談において、在日韓国人の地方選挙権付与のため日本側の積極的な努力と早期実現を要請してきました。また、各政党の幹部におきましても前向きの発言を重ねており、この問題はすでに国際的な関心事と信義の問題にもなっています。
Q14 日本と韓国の間でどのような交渉が行なわれてきたのですか
在日韓国人三世以降の法的地位や処遇等を取り決めたいわゆる「91年間題」の日韓外相覚書で、指紋押捺廃止、地方公務員採用の機会拡大とともに、「地方自治体選挙権については大韓民国政府より要望が表明された」、と明記され、以降、この問題は両国政府が協議をし回答を出すべき課題にもなっています。1998年の金大中大統領以来、今日まで日韓間の首脳会談等で地方選挙権の実現を重ねて要望しています。
1996年以来、毎年開催される日韓議員連盟・韓日議員連盟の合同総会の共同声明において、「両国代表は、地方参政権の問題について、法制化に向けての韓国側の要求を日本側は継続して鋭意努力する」ことが決議されています。
1998年10月7日、国賓として金大中大統領が訪日し、共同宣言において、「両首脳は、在日韓国人が、日韓両国民の相互交流・相互理解のための架け橋としての役割を担い得るとの認識に立ち,その地位の向上のため引き続き両国間の協議を継続していく」ことで意見の一致をみました。また、首脳会談においても、金大中大統領は、「在日二・三世は日本で税金を納め非常に大きな貢献をしている。地方参政権が与えられ、より日本社会の発展に寄与できるよう」要望しました。
さらに大統領は日本の国会演説において、「65万在日韓国人の未来」に触れ、在日韓国人が「日本社会により多く頁献できる立派な構成員となれるよう、制度的条件と社会的雰囲気がさらに改善されることを心より願っている」と述べ、特に「地方参政権の獲得が早期に実現できれば、在日韓国人だけでなく、韓国国民も大いによろこび,世界もまた、日本のそのような開かれた政策を歓迎してやまないでしょう」と強調しました。これを受け、野中官房長官(当時)も記者会見で、「韓国の金大中大統領が国会演説でもこの問題に触れたことを重く受けとめたい」と述べ、今後の検討に前向きな姿勢を示しました。
2003年6月には、盧武鉉大統領が訪日し、日本国会で同じように早期の実現を要望しました。
2008年4月、東京で韓日首脳会談が開かれ、共同言論発表文で、「李大統領より、在日韓国人の地方参政権付与のため、日本側の積極的な努力を要請した。これに対し、福田総理より、本件については、国会等での議論の行方に引き続き注意を払っていきたい」旨、述べました。
2009年10月、韓日首脳会談後の共同記者会見で、鳩山首相は「在日の地方参政権、積極的に結論を導き出したい」と述べました。
Q15 付与すれば、日本にとってどのような意義があるのですか
日本のイメージがひじょうに良くなります。永住外国人住民の人権を認める国として国際社会が評価し、長い目でみれば将来の国益に寄与します。また、OECD諸国もそうであるように、永住外国人住民に地方自治体レベルの選挙権を認めるのは時代の要請であります。
この問題は、これからの日本の国のあり方、国際社会における日本の役割等、日本の民主主義の成熟度をはかる試金石となっています。一部の後ろ向きの外国人危険論や内外の諸情勢等を口実に、私たちの住民としての願いをこれ以上先送りにすべきではありません。
私たちは、日本社会の国際化と在日韓国人の長い居住歴と生活実体に照らし、地方自治体の参政権を住民として望み、認知されるべき時期が来ていると考える。永住外国人住民に地方自治体レベルの選挙権を認めるのは時代の要請であります。共生社会と国際化は着実に進んでいます。国際社会も注目しています。日本の開かれた政策の実現が強く望まれています。
永住外国人に地方参政権を保障するのは日本の課題です。人権の観点から認めるべきで、国籍を取りやすくすることだけで、永住外国人住民の地方参政権問題が解決するわけではありません。依然として残る日本社会の外国人差別の解消にもつながります。
安全保障上、外国人は駄目、危険だというマイナス面のみ考えず、人権保障、地方自治の本旨、国際感覚、歴史感覚の必要性など、これからの日本社会に必要なプラス面をきちんと考えるべきです。
■補足 一問一答
- Q1.「今、なぜ地方参政権なのか」。
- A:21年前の1987年から全国的な要望活動を始めた。16年前の1994年から最重要課題として今日までたゆむことなく継続して運動している。
- Q2.外国人が決定にかかわるのは好ましくないとの声もある。
- A:最高裁判決は、憲法第8章の地方自治に触れ、「民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、…外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではない」と明示しており、地方自治体レベルにおいては支障ない。
- Q3.外国籍のままだと国籍の間のギャップが固定する恐れがある。
- A:私たちは国政選挙権を望んでいない。「住民」として地方参政権を望んでいる。外国人に地方参政権を付与している国に住む日本人は、「住民」としてその国の地方参政権を行使しており、同時に日本の国政選挙権を行使している。(韓国でも同じ)。何の問題もない。
- Q4.日本で選挙をしたいなら国籍を取得すべきとの意見もあるが。
- A:最高裁が判断しているように、外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについては、地方選挙権を付与する措置を講じても憲法上禁止されていないと言っている。国政と地方を区分すべきである。
- Q5.総連は同化促進と反対している。
- A:そういう者たちに配慮して、法案は申請主義を採用している。多くの同胞は地方参政権を望んでいる。
- Q6.なぜ国政は要求しないのか。
- A:憲法第15条の「国民固有の権利」からして、国政選挙権は無理だと考える。
- Q7.どの範囲の外国人まで権限を与えるのか。
- A:最高裁が示しているように、「外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるもの」。したがって永住資格を持つ外国人住民。
- Q8.認めれば、日本の秩序が乱れないか。
- A:そのようには考えない。そのように考えること自体に問題がある。永住外国人は長い間地域住民として住み、交流し、地域の発展に応分の貢献をしてきた。たとえ何か問題が生じても法律の範囲内で処理できることである。
- Q9.別の形で意見反映ができないか。
- A:自治体の外国人諮問会議のようなものを想定しているのかも知れないが、最高裁判決が言っているように、永住外国人に地方参政権を付与しても憲法上禁止されるものではない。許容されている。そこに住む住民が自主的、自律的、主体的に決めていくのが地方自治の本旨である。
■参考資料一覧
1.三党連立政権合議書
2.政治行政改革
3.自民幹部インタビュー

4.新聞記事(1995.3.1)
5.最高裁判所(平成7年2月28日)
6.園部逸夫証言(元最高裁判事)
7.毎日新聞(2009.11.24)
8.朝日新聞世論調査(2010.1.19)
9.朝日ー外国人参政権沸く議論
10.朝日新聞社説
11.各政党アンケート
